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施設概要

患者支援室

患者さんの立場にたってご相談に応じます。
受付時間は
9:00~17:00(月~金)
9:00~12:30(土)
となっております。

  • 病気に対して不安や心配をお持ちの方
  • お医者さんや看護師さんに不満をお持ちの方
  • 治療方法に疑問をお持ちの方
  • 病院のシステムについてご意見をお持ちの方

★ Ask your question about treatment

患者支援(患者アドボカシー)室の紹介

はじめに

平成16年4月、春風とともに「患者アドボカシー」という一風変わった機能が横須賀市立うわまち病院に加わりました。
これまで当院では様々な形で患者支援を行ってきましたが、支援者は病院側の職員という認識が当たり前でした。今回当院に設置された「患者支援(アドボカシー)室」の室長は病院内の職員であるにもかかわらず、患者サイドに立って行動する患者支援者です。

“患者アドボカシー”とは

患者アドボカシーとは、アメリカではpatient advocacy, patient right advocacy等と呼ばれ、「患者とともに患者権利の擁護のために闘うこと」であり,闘う人のことをアドボケイト(patient advocate)と呼びます。当然のことながら、これまで病院には病院サイドに立つ職員しかいませんでしたが、患者サイドに立つ職員を置くことで、病院の積極的な患者支援の姿勢が明確になると考えました。さらに、この姿勢は医療従事者と患者様の良好な関係を形成することに大いに役立つと考えております。
ところで日本では紹介(李啓充氏の「アメリカ医療の光と影」という著作で紹介され、広く知られるようになりました)された経緯からMGH(マサチューセッツ総合病院)の患者アドボカシー室の話が有名です。患者支援を行う人をMGHでは患者アドボケイトと呼ぶそうですが,アメリカでは一般的に患者代理人(patient representative)と呼ぶことが多いそうです。アメリカ病院協会(AHA)によれば,患者代理人制度が誕生したのは,1966年,ニューヨークのマウント・サイナイ病院であったということです。いずれの病院も世界的に有名なアメリカの病院であることには変わりありません。当然の事ながらアメリカの医療の病める部分を改善するために作られたシステムと考えられます。

横須賀市立うわまち病院での取り組み

患者アドボカシーを知ったときから、日本でもこのシステムが有用であると直感しました。ところが如何にしてこの仕事をこなせる人材を得るかが問題でした。ところが幸いなことに、アメリカで「心理学」の学士と、「人間関係学」の修士号を取得し、日本でソーシャルワーカーの職を探していた女性を面接しました。「ソーシャルワーカーではなくアドボケイトを探している」と伝えると、「現在横須賀米海軍基地で“日本人妻のアドボケイト”を行っており、実はアドボケイトが希望です。」とのことで、その後話はあっという間に進展し、患者アドボカシーが実現することになりました。さらにその場で、当院ではできる限りadvocateの独立性を保つため、「患者支援室」は院内のどの部門にも所属せず、病院管理者の直属と決めました。
Patient advocateは淡々とそして着実に仕事をしていきます。「患者を長時間待たせる。」と苦情を言われた医師には早速直談判し、「接遇が悪い。」と言われた看護師には早速面談して個別に解決し、病院全体の接遇という問題については、私に病院として対策を立てるように要求してきました・・・。このように個別の問題を素早く解決してくれる点は大変ありがたいのですが、病院として対応しなければならない苦情はすべて私に回ってくることになってしまいました。例えば、「どこどこの表示は分かりづらいから分かりやすく変更しなさい。」、「受付に人が足りないようだから増やすべきでは?」などなど・・・。特に金銭的な配慮が必用な問題は最終的には全て私にまわってきます。この苦情に答えてこそ良い病院になる、などと言ってはいたものの、「予算には限りがあり、全てに答えられるわけではない。」等と答えている姿は苦しいものです。それでも、このひたむきなadvocate に対峙していくうちに、随分多くの問題に対策を立てることができました。
この今までになく我々を悩ませるこのシステムが、予想したとおり我々の病院に改善の機会を与え、発展させるだろうということも実際に肌で感じています。

当院におけるアドボカシーの将来

前述したように、アドボカシーによって苦情に対する敷居を取り払いたくさんの問題点に直面した我々は、正直なところ困惑しています。
アドボカシーを導入したばかりの病院にとっては、苦情に対する答えをadvocateが出す形にするのか、病院の答えにするほうがよいのか?などという問題さえも解決されていません。また、私が直接苦情に答えることには限界があるようです。私の意志を反映して多くの苦情に対して回答(対策)を出すことができ、なおかつadvocate の独立を保てるシステムを作らなければならないと考えています。
当院におけるアドボカシーの今後の発展のためには、
1)まずアドボカシーを職員、患者様に周知すること。
2)次に問題を素早く解決するための効率的なシステムを院内に作る必用があります。
3)さらに、アドボケイト を育てること、などが当面の課題となると考えています。
そして、最終的には広く院内に患者アドボカシーという文化を定着させ、市民レベルでも広く理解して頂くことを目標にしています。

終わりに

「患者アドボカシー」について考えれば考えるほど、現在のシステムには難しい点があるように思えます。私の現在の感覚では、患者支援者(patient advocate) より患者代理人(patient representative)の方がすっきり割り切って理解できます。そして患者代理人ならば、やはり第三者機関が行うべきものとも思えます。しかしながら、やはり病院自身が患者アドボカシーを行う姿勢は貴重なものとも考えます。将来的には病院のアドボケイトと第三者機関の患者代理人が話し合うなどと言うことも起こるかもしれません。
いずれにせよ、私を悩ませると同時に大いに期待させる当院の「患者支援室」を紹介させて頂きました。しばらくの間advocate と、時には格闘しながら、そして多くの時間では力を合わせながら、より良い病院にしてきたいと考えています。
日本型の患者アドボカシーがどのような形になるのか今は予想できません。今後も当院の「患者アドボカシー」の効果、問題点、また今後の変化については、ホームページで報告していきたいと思いますので、暖かい目で見守ってください。

横須賀市立うわまち病院 管理者

患者支援室より

平成16年4月より患者支援室がオープンし、私は初代の室長として迎えられました。患者支援室の仕事は根本的にはペイシェントアドボカシー(患者アドボカシー)で、患者の人権擁護を目的としています。患者支援室はうわまち病院のなかで独立したポジションを与えられ、患者の立場に立ち、患者の代弁者として機能しています。

私は「患者さま」という呼びかたを用いて患者の人権を尊重しています。これは従来の「お医者さま」という呼びかたからくる医師偏重の医療から、患者尊重の医療へと意識改革をする意味があります。医師と患者が縦型の関係ではなく、横型の対等の関係で医療に取り組むのが私のやり方です。

患者支援室は、[1]面談、[2]電話、[3]意見箱、[4]手紙などの方法で患者さまのご意見やご相談を承っています。圧倒的に多いのはご意見箱によるご意見や相談です。これは記名でも無記名でもよく、都合のよい時に投書できることが利用されやすい点と思われます。次に電話相談ですが、顔を合わせることなく意見を述べることができて患者さまに好まれる方法と思われます。面談で支援室に足を運んでくださる患者さまは、姓名や病状などすべて明らかにしてのご相談なので、慎重に傾聴してご相談に応じます。

患者支援室で取り扱う内容は,
[1]患者さまの病気にたいする心配や不安
[2]医師、看護師ほか医療従事者への不満
[3]治療にたいする疑問
[4]病院システムにたいする意見
[5]英語対応の患者さまの支援
[6]患者さまからのお礼や感謝
に分類されます。
[6]のお礼や感謝は直接患者さまの支援や人権擁護につながりませんが、公表することで病院全体の啓蒙になり、患者さまの対応によい影響があれば、結果として患者支援となります。

患者さまの人権擁護で大切なことは、患者さまの安全を図ることです。医療ミスはあってはならないことですが、新聞記事で見る限り、人間は失敗を犯す存在と言わざるをえません。患者支援室では、小さい失敗を摘んで大事を防ぐ、という心構えで患者さまの支援にあたっていきたいと思います。

患者支援室 室長 鈴木和子