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施設概要

臨床検査科

スタッフのご紹介

辻本 志朗 病理診断科 顧問
飯田 真岐 病理診断科 部長

以下20名の臨床検査技師および1名の事務員で中央採血室、中央検査室、生理機能検査室、病理検査室に分かれて病気の診断や治療に必要な検査を行っています。

中央採血室

医師より依頼された検査のために、血液、尿、便、喀痰などの採取を行っています。血液検査では、血液をそれぞれの検査に適した状態に保つために、採血管が何本も必要となります。本数が多いと貧血になるのではないかと心配になる方も多いと思いますが、量は多くても合わせて20ml程度と、体に影響を与える量ではないためご安心ください。
75gブドウ糖負荷試験、薬剤の血中濃度、安静時採血など、採血時間を指定することもありますのでご協力ください。便、喀痰など当日に採取できなかった検体を自宅で採取された場合は、採血室まで直接お持ちください。

中央検査室

中央検査室では主に以下の検査を行っています。


中央検査室の様子

血液検査

血液中の血球成分(白血球・赤血球・血小板)の数や赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度、凝固検査、赤血球沈降速度、骨髄検査などを実施しています。貧血の種類や、白血病をはじめとする様々な病気を見つけることができます。

生化学検査

血清(採取した血液を固めて分離した液体の部分)や尿などの成分を分析し、体に異常がないか、どの部分の疾患なのか、栄養状態はどうかなどを調べることができます。院内で約50項目の検査を実施しています。

免疫学検査

血液中の抗原や抗体反応を利用して測定を行います。腫瘍マーカーや感染症(梅毒、肝炎ウイルス、HIV)、内分泌(甲状腺検査)、マイコプラズマ抗体など約20項目について検査しています。

輸血検査

輸血療法は、適正に行われた場合、極めて有効性が高いことが知られています。当院では輸血療法を安全に行うため、輸血前検査としてABO式、Rh式血液型、不規則性抗体検査、交差適合試験を実施し、血液製剤の管理を行っています。 また、必要時は血液センターの窓口として、副作用の報告・情報提供や、輸血療法委員会の運営も行っております。

一般検査

主に尿、便、体腔液(胸水・腹水など)、髄液を対象に検査を行っています。尿や便は痛みを伴わずに採取できるため、体の状態を把握するためのスクリーニング検査に有用です。
院内で実施している項目は、尿定性、尿沈渣、妊娠反応HCG、迅速検査(肺炎球菌、レジオネラ、CDトキシン)、便潜血などです。体腔液や髄液では、細胞数、pHなど詳しく性状を調べることにより、病態の推定や発見に役立ちます。

細菌検査

外部委託にて検査を行っています。

その他

その他の検査として、感染症(COVID-19、インフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルス、溶連菌など)の迅速検査なども行っています。
院内で測定できない項目(検査数が少ないもの、特殊な試薬が必要となるもの)については、外部の施設にて測定を行っていますが、できる限り迅速に結果を返せるよう努力しています。

生理機能検査室

主に以下の検査を行っています。

心電図検査

心臓に流れる微量な電気を波形として記録する検査です。不整脈や心筋梗塞などの診断に有用です。

運動負荷心電図検査(トレッドミル・マスター)

動くベルト上での歩行や階段の上り下り等の運動をすることによって出現する不整脈、心筋虚血などを記録する検査です。

新起立負荷試験

寝たり、立ったりしながら血圧・脈拍の変化を記録します。
起立性調節障害を鑑別するために行う検査です。

ホルター心電図検査

小型の心電計を24時間装着して心電図を記録していく検査です。通常の心電図検査では見つけることが難しい不整脈などを検出することができます。

血圧脈波検査(ABI)

両手足に血圧計を巻き、血管の硬さや詰まりなどを調べる検査です。

呼吸機能検査

息を吸ったり吐いたりすることで、肺の機能を調べる検査です。

脳波検査

頭にたくさんの電極を付け、頭に流れる微量な電気を波形として記録する検査です。覚醒や睡眠の状態、てんかんの有無、脳の機能などを調べることができます。

超音波検査

心臓や肝臓、血管など検査を行う部位にゼリーをつけ、非侵襲的にリアルタイムでその臓器の状態を観察することができる検査です。

※腹部超音波には、食事制限があります。部位によっては尿を溜めた状態で検査を行います。事前に検査の説明を受けた際に、必ずご確認ください。

この他にも、皮膚灌流圧検査、呼気中一酸化窒素濃度測定、睡眠時無呼吸検査、誘発電位検査などの検査も行っています。

病理検査室

内視鏡や針で穿刺して採取した少量の組織(生検)や手術で摘出した臓器から組織標本を作製し、肉眼や顕微鏡などを用いて観察することで組織が病気に侵されているかを病理学的に診断しています。
院内でも免疫染色を行っており(現在約30種類以上の抗体実施)様々な蛋白の発現状況から、多くの診断情報を得ることができます。また、術中迅速病理診断を行い腫瘍がとりきれているかの評価も行っています。

細胞診検査

喀痰や尿、腹水といった生体より採取した検査材料から細胞診標本を作製し、細胞学的に診断を行っています。悪性の疑いがある場合などは病理医が最終判断を行っています。

病理解剖

病理解剖とは、病気により亡くなられた患者さんのご遺体を解剖し、死因や病気の原因を調査することで病態と死後の臓器所見について医学的検討を行うことを指します。
病理解剖を通して、患者さんが亡くなった原因や生前の病気の状態が明らかになり診断の妥当性や治療効果を詳しく検証することが可能です。
また、病理解剖から得られた結果をCPC(Clinico-Pathological Conference)臨床病理検討会にて臨床医、病理医を中心に症例検討が行われ、医学教育やより良い医療を提供するために役立てられています。